インセルタッチ機能を備えたLCD IPS技術は、ハイエンドのスマートフォンディスプレイで勢いを増しています。Clevios™の遮蔽層は、その製造プロセスと光学特性を新たなレベルに引き上げます。
LCDは成熟した技術ですが、その性能を向上させるための開発は現在も絶え間なく続けられています。最新のディスプレイにIPS(イン・プレーン・スイッチング)技術が採用されたことは重要なマイルストーンであり、色、コントラスト、視野角の改善をもたらしました。
しかしながらIPS LCD技術は静電気やESD(静電散逸)が生じやすいので、ディスプレイを保護するためにシールド層が必要になります。一般的にはカラーフィルターガラス上のITO(酸化インジウム)の薄いスパッタリング層で十分といえます。
しかしながら、ディスプレイガラスが高度にスリム化され、基材のサイズがより大きくなるにつれ、ITOスパッタリングの難易度がかなり増してきました。スロットダイやスプレイコーティングのようなウェットコーティングはスパッタリングを凌駕し、より早い処理量、稼働停止時間の削減、生産効率の向上などの更なるメリットを与えます。
ヘレウスは、ディスプレイガラスへの光学品質コーティング用に最適化された高度な導電性ポリマー配合、Clevios™ F ELOを提供しています。この製品は、ディスプレイのシールド層として経済的なウェットコーティングプロセスで塗布することができます。優れた光学特性、均一で調整可能なシート抵抗、高い硬度と耐久性は、その主な特徴です。
光反射損失に関しては、Clevios™は屈折率が約1.5と低くガラスとの適合性も高いため、ITOをはるかに上回る性能を発揮します。ITOコーティングと比較すると、光反射は最大50%減少します。これにより、光反射が課題となる自動車内装用途など、ディスプレイのコントラストを改善することができます。